「山」と「思い」と「リアリティ」

山を歩くのってほんとに素敵。木に囲まれた細い砂利道をノシノシ歩くってだけなのだけど。一歩一歩の足の置き場も、重心の置き場も、自分の心の置き場だって、一瞬一瞬をすごく大事に生きないと、山はグロテスクなほどのむきだしで迫ってくるから、なんだか…

今とても夏が恋しい

冬の私は、抜き差しならない繊細さを持って、日々を過ごしている。真冬の雑踏は気位が高く我儘で正しさだけ求めてくるような冷たさを感じるから、身に付ける装飾の分だけ、気も重くなってしまう。煙突とネオンの輝き、箱根の山越えとデパ地下のチョコレート…

あるべき「正常」ってなんだ:エンカレッジの話

みんなが望んだ未来は、いつかの今になる。望めば望むほど、未来の解像度は鮮明になり、くっきりと時代の雰囲気を作っていく、今になる。そしていつかあれほど望んだはずの今に生きる人々は、またどこかの今を描き、息をする、生きる。そうして社会は中肉中…

『I'm so great』を笑うバカ

街ゆく老人の顔を眺め、カフェで騒ぐギャルを眺め、幸せを眺める。顔をじろじろ見るのは無粋で気が引けるが、生活の味が滲み出ている顔は見ていておもしろい。そのシワの、つけまつげの何気ない立ち振舞い一つ一つから、その人の幸せについて思いを寄せる遊…

「ぬるっ」とした怪物

「ぬるっ」とした痛みに襲われた。悩みに悩んで、最後の一滴を入れられ、ざっと溢れ出すような。がつん!でもちくっ!でもない、夏の日の公園の水のような、気持ち悪いんだけど、なぜか安心する感覚。 自分のとってそういう痛みは、見逃しちゃダメな瞬間であ…